どうもジュエリー作家のSasabukiです。
最近ではメルカリなどのフリマアプリでシルバーアクセサリーやジュエリーを購入している方もいらっしゃるかと思います。
いろいろ悩んで購入し、大事に使っていたアクセサリー。修理やメンテナンスのために業者に出したところ…シルバーだと思ったのに偽物だった!なんてことになったら悲しいですよね。
お金をかけずに購入したアイテムが本物のシルバーかどうか見分ける簡易的な方法をお伝えします。
この記事は以下のような人におすすめ!
・購入したアクセサリーが本物のシルバーか気になる人
・購入後、返品可能期間中にシルバーか否かを確認したい人
・シルバーかどうか確認したいがあまりお金をかけたくない人
そもそもシルバーって?
そもそもシルバー(銀)ってとりあえず価値のある金属?アクセサリーによく使われている素材?くらいしか知らない方がほとんどかと思います。
銀(ぎん、英: silver、羅: argentum)は、原子番号47の元素。元素記号は Ag。貴金属の一種。比重は10.5。
「銀」(2022年4月25日 (月) 12:55 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』
大和言葉では「しろがね/しろかね(白銀: 白い金属)」という。元素記号の Ag は、銀を意味するラテン語 argentum に由来する。
銀は比重10.5なので1cm×1cm×1cmの立方体(サイコロ状)で10.5gの重さになります。
鉄の比重が7.87なので、実は鉄よりも重たい金属です。
一般的なシルバーアクセサリーの場合、銅が少量混ざっているのですが、比重としてはさほど変わりません。
鉄よりも重たいですが、加工がとてもしやすく、その輝きと、時間がたっても錆びてボロボロになることもほぼないので宝飾品として昔からよく使われてきました。
また、実はプラチナよりも白く光ります。
シルバーは錆びてボロボロになることはないけど、時間がたつと硫化などして黒く変色していきます。特に暑い日に部屋の中に置いておくだけでも変色が進むことも…。
銀かどうか調べる方法 簡易版
では早速、お手持ちのものが本物の銀か否かを調べる簡易的な方法をご紹介します。
確認する難易度(熟練度)を★で評価してみました。
重さを比べてみる! 難易度★☆☆☆☆
購入したシルバーアクセサリーをお手持ちのジュエリーと量り比べてみてください。明らかに見た目のボリュームが大きいのに手持ちのシルバーアクセサリーと比べて軽い場合は、その素材はシルバーではない可能性があります。アンチモンなどの素材を使用したアクセサリーである可能性があります。
ちなみに明らかに軽すぎる場合は、ただ単に中空(ちゅうくう:中身が空っぽ)のアクセサリーである場合があります。なのでまだ貴金属である可能性はあります。
磁石を近づけてみる! 難易度★☆☆☆☆
ネックレスなどの場合は手で持ち上げ垂らすようにしたところに磁石を近づけてください。指輪などは何か紐を通してペンダントのように垂らして磁石を近づけてみてください!磁石に反応するか分かりやすくなります。
これで何がわかるかというと、実は銀は磁石にはくっつかない素材なのです。そのため磁石を近づけてくっついてしまった場合、高い確率でそれは銀素材ではありません。
ステンレスやその他鉄系の合金にメッキが施されているだけの品物などがそれにあたります。最近ではステンレスのアクセサリーもよく販売されているので注意が必要です。
なお、しっかりとは付かないがほんの少し磁石にくっつくような状態の場合、ニッケルメッキがかかっている品物の場合があります。
貴金属のアクセサリーでもニッケルメッキを施すことで、表面の色むらが分かりにくくなり、さらにその上にかけるロジウムメッキや金メッキがかかりやすくなります。この場合中身が貴金属である可能性はまだあります。
傷や摩耗している部分をよく観察する! 難易度★★★☆☆
フリマアプリなどで購入した品物であれば、中古品で傷がついている場合や、部分的にすり減っている場合もあるかと思います。その場合その傷の部分をよく観察してみましょう。ルーペなどがあればなお良いです!
傷の部分が茶色っぽく見える場合は、銅メッキが施されている場合があります。その場合中身はシルバーではない可能性が高いです。
装飾品で銅メッキをかける場合は中身が鉄などの貴金属ではない素材にかけるケースが多いです。銀素材に銅メッキをかけるということは全体の品位(ひんい:貴金属の純度のこと)が下がってしまうため普通は行いません。
傷の部分がただ硫化して茶色っぽくなっているだけの場合もあるので、一度きれいにしてから確認するのがおすすめです。
↓アクセサリーをキレイにする場合はこちらの記事を参考にしてください。
エッジをよく見る! 難易度★★★★☆
デザインにもよりますがアクセサリーのエッジ(縁や角など、角ばった部分)を見ることでも何となく怪しい…とわかる場合があります。
シルバー素材の場合、エッジのあるデザインを作ることが可能ですが、シルバーによく似たアンチモンのアクセサリーや、錫合金のアクセサリーなどはゴム型へ直接金属を流し込む工程などの為、あまり細かい部分が表現できません。そのためエッジが丸みを帯びた状態になります。逆にエッジがしっかり出ている場合は、アンチモンや錫合金のアクセサリーではない可能性があるとも言えます。ただ、まだ真鍮製や、ステンレス製などの可能性もあるので注意が必要です。
簡易的な方法で総合判断
ここまで紹介した方法はあくまで簡易的な方法のため、確実に銀ではないと判別することはできません。また感覚的な部分も大きいため経験が必要です。
ですが、総合的に判断して貴金属でない可能性があると感じた場合、販売店に問い合わせてみましょう。
返品可能期間であれば返品を検討してもいいかもしれません。
また、素材を925シルバーなど販売ページで表示していたにもかかわらず、総合的に怪しい場合は、今後その販売店・アカウントからの購入は要注意です。
素材の刻印があっても要注意!
シルバーアクセサリーを購入して、指輪の内側やペンダントの裏側に「SILVER」「925」「SV」などの刻印が押されている場合もあります。
ですが、この刻印を過信してはいけません。なぜなら刻印を打つ工具は一般の人でも購入が可能だからです。
つまり銀素材でないものにも打刻(だこく)することは可能なのです…。
しっかりと調べたい場合はどうするのか?
とはいえ、やはり自分が購入したアクセサリーが本物の貴金属かどうか気になる!という人は、専門の業者に依頼して調べることが可能です。安ければ数千円から調べることができます。
おすすめはX線分析(えっくすせんぶんせき)です。
X線を照射して素材に含まれている元素が何か調べることが可能です。貴金属買取の際に非破壊で素材を調べる場合などに使うことがあります。
このX線分析機を持っている買取業者などに確認すれば調べてもらえるかもしれません。ただし品物の表面のわずかな深さまでしか調べられないのでメッキなどが施されていると正確な判断ができない場合があります。
逆にあまりお勧めしないのは貴金属比重計を使用した素材の確認方法です。
通常の電子天秤のようなものに水槽がついており、「水に沈めて量った時」と「通常時」を比べて比重を割り出し、品物の比重から金性を調べるものです。そもそも、この装置の場合シルバー素材に対応していない場合がほとんどです。仮にゴールド素材であったとしても、最小計測可能グラム数以上の重さがないと正しくわからない場合もあります。(要するに軽すぎると計測できないということ)
そのことをよくわからず使っている買取業者も残念ながら存在するようです。(工具屋に勤めていた時、相談が実際にありました…。)
フリマアプリなどでの購入は安く購入できるからこそのリスクがあります。十分注意して、いい買い物を!
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